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酒とバラの日々…毎日がそうありたいですね


by harumi-N-mama

橡之 袷衣 裏尓為者 吾将強八方 君之不来座

萬葉集の巻第十二の中にある、読み人知らずの歌。

つるはみの 袷の衣 裏にせば 我強いめやも 君は来まさぬ 
(〈橡の袷の〉衣を裏返すかのように態度を変えてしまったあなたに、来てくださいと私は強いるでしょうか?いいえ、そんなことはしません。〈私にだってプライドがあります〉だって、あなたがいらっしゃることはないのだから。)

橡(つるはみ):鉄媒染による黒に近い灰色で、身分の低い人の衣の色


↑大体の意味です^^;
この時代、衣の色で、相手の身分がおおまかに判ります。便利ですねぇ?

1000年も昔の人も、恋をし、恋にときめき、恋に破れ、また恋をして…、いたんですよね。
恋は「戀」とか、「孤悲」と書かれているカナ?
恋、って、「1人悲しむこと」だから、上のような文字があてられているのでしょう。

赤根指 日之暮去者 為便乎無三 千遍嘆而 戀乍曽居
茜さす 日の暮れぬれば すべおなみ ちたび嘆きて 恋つつそおる
(日が暮れてしまうと、全てが終ってしまうようで、悲しく怖いのです。そして1人、幾度も嘆きながら、恋焦がれています。)

打日刺 宮道人 雖滿行 吾念公 正一人
うちひさす 宮路を人は 満ち行けど 我が思う君は ただ1人のみ
(都の通りをこんなにも大勢の人が行き交っているけれど、私の思い人はたった一人、唯、あなただけ。)


巻第十一と巻第十二は、「上代恋歌集」とか?言われていたと思います。
こういうの、学校で教えたら、和歌とか古典とかに、中高生も興味を示してくれるんじゃ?と、カナリ思ってたんですが。
ナンデ、学校の授業でヤラないんだろ?
こういうのだったら、興味持ってくれる子も多少は増えると思うんだけどな。


そういえば、我強いめやも 君は来まさぬ
このフレーズに強く惹かれた、20年前。

惹かれた理由は、多分…。
そんな状況にもしなってしまったら、凛としてこうありたい、という自分に対しての願望(?)だと思う。
でも実際、キモチはそんなタイプでないこと、にもかかわらず、態度では「キッパリ・スッパリ」してしまうのであろう自分であることも判っている。
泣きわめいて、みっともないところ、さらしたらいいのに。
なんで、そんな時にまで、見栄っ張りなんだろう、私。

そんなことを思いながら、読み返す、萬葉集。


ぬばたまの 我が黒髪の 一筋も 愛(うつく)しと言いし 君をしそ思(も)う  harumi

イチビッて、↑それっぽいの?↑書いてみたですm(__)m
by harumi-N-mama | 2008-10-23 12:17